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若手科学者向けの研究資金

最も想像性が発揮されるとされる30代の独立研究者に、金と責任を持たせて、研究させることが大事です。
教授が大型グラントをとって、助教はその手足というのでは、「若手研究者の意欲を削ぐことにもなりかねない」です。

日本においては、若手A・Bや最先端・次世代研究開発支援プログラムなどの
若手向けのグラントがありますが、果たして年齢制限は必要なのでしょうか?
これらの資金は、必ずしも「責任著者の立場」でなくても獲得できる条件となっていますが、
本当に大事なのは、年齢制限ではなく、独立した研究を促すことではないでしょうか?

当たり前ですが、そもそも、研究者の年齢にかかわらず、本当にいい研究に投資するべきです。
アメリカでは、アシスタント・プロフェッサーは、最初にスタートアップを元に小さな成果を示した後すぐに、
大型グラント(NIHのRO1等)獲得をシニア教授陣と競います。
(アメリカのシステムがこちらにまとまっていてわかりやすいです。)

例えば、若手向けのグラントの条項などには、「責任著者の立場」になれる
独立したポジションにつく研究者にしかファンドしないと明記すべきではないでしょうか。
現状では、若手向けグラントを受け取りながらも、教授にいびられて
研究助手・ポスドク相当になり下がってしまっている人もいるようです。
ファンドする側は、なるべく税金が有効活用されるよう努力すべきなので、
教員の独立の保障を大学組織に求めるべきではないでしょうか?

アメリカでは、例えば、ポスドクフェローシップの研究費を、PI(ラボヘッド)の旅費などに使うことが、
そもそも、事務レベルのルールとして不可能になっているそうです。
お金にルールを課すことで、研究者のキャリアパスを守るのは良いことだと思います。

そもそも日本では、着任時に大学から受け取る研究費(スタートアップ)が少ないのが、意味不明です。
スタートアップは、大学からみたらPIへの「投資」であり、PIを育てて大型グラントを獲得させることで、
研究費の一部の間接経費を大学に納めるという形で文字通り「回収」するのが理想です。


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テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

2700億 vs 小さなラボ

ノーベル賞脳科学者ヒューベルが提言しているように、ラボヘッドの目がすみずみまで行き渡る、
小さなラボを推奨すべきです。
それによって、研究者はアイデアを出すことに専念できるし、
費用対効果の「燃費」も良くなって、納税者にとって利益となります。

現実には、大きなプロジェクトから出る全ての論文にプロジェクトリーダーの名前が載るという
悪事が横行しています。
日本でも、2700億円の研究費がばら撒かれつつあり、上の意味で額が大きすぎる上、いずれも既に他に
「多額の競争的研究助成金をもらっている人が多数であり、さらに手厚く助成金を与える結果」になる
という問題点が指摘されています。

審査の質疑応答がたったの10分間だったこともあり、具体的な研究プロジェクトに対しての批判もあります。
例えば、無線通信の研究に対して批判やその反論があります。他にも
「2ch 2700億 代表者名」
で検索すると、いくらでも悪口が出てきますが、個別のプロジェクトの是非はここでは問わないこととします。

大事なことは、研究分野が特殊である場合を除き、
ラボが大きくなりすぎないようにする仕組みが必要ということです。
例えば1つのラボで10億円以上というのは、それだけで額が大きすぎます。
小さなラボになるよう予算規模を限定すれば、限られた予算のパイの中で、
より多くのラボヘッドがチャンスを与えられることになり、若手育成にもつながります。
現在ある、有名な大御所のラボは、確かに成果が出ていますが、
費用対効果で考えると、燃費が悪いラボも多いです。
このようなところに、さらにばら撒いて、人海戦術で欧米のラボと対抗するのは、
人が育たないし、もうやめたほうが良いと思われます。

プロジェクトリーダーとしても、本人の手柄の他にも、部下のポスドクの雇用継続のため、
間接経費が欲しい大学や企業に背中を押されたなど、
応募しなければならなかった理由は容易に想像が付きます。
しかしながら、プロジェクトリーダーは全ての責任を負うわけだから、言い訳すべきではありません。
90億ものお金は多すぎるのでおかしいと思ったら、どれだけ背中を押されても応募すべきではなかったと思うし、
逆に、部分的に返金して、政府のやりかたを批判することで注目されるぐらいの方が得ではないでしょうか?
今、日本に不足していて必要とされているのは、陳情・予算ぶんどりだけが上手なリーダーではなく、
分野全体を見渡して、フェアなコメントができるリーダーではないでしょうか。

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テーマ : 教育政策
ジャンル : 政治・経済

研究の評価

大学の先生の採用・昇進の際や、政府が研究費の予算配分を決める際などに、
過去の研究(や研究計画)の評価を行う必要がでてきます。
評価が正しく行われることで、密室の中ではなく、
公平に人事や研究費の配分を行う一助になると思われます。

もちろん、唯一絶対の評価法というのは存在しませんが、
例えば次の数字が評価基準となりえます。

1.査読付きの学術雑誌に掲載された論文数
2.論文が掲載された雑誌の権威(インパクトファクター)
3.論文の引用回数

1は、査読があるというのは、同業の研究者が匿名で原稿を読んで、雑誌掲載にふさわしいかを
判断するというものですから、関門を抜けたという保障がつくことになります。
2は、権威のある雑誌は、影響力の見込まれる論文のみを掲載しますので、
査読も厳しくなり、良い論文であるそれなりの根拠となります。
3は、研究成果の引用が多いということは、その分野の基礎となる大きな仕事をしたり、
信頼されているという証拠ですので、影響力があることを示します。

この程度の計算だったら、例えば、ここここここのようなサイトでインパクトファクターを調べて、
google scholarで引用回数を調べれば、すぐにできますので、
税金を大量投入した大型プロジェクトの研究などに対しては、
これらの数字付きの報告書を作成して公開する義務をつけたほうが良いかもしれません。
あくまで目安の数値であっても、研究者ではない一般の人が予算などを論じるのには便利だと思います。

例えば、バイオ系では、CNS=Cell,Nature,Scienceの3雑誌が最も権威があるとされ、
研究者別の論文数ランキング「日本の生命科学研究者CNSランキング2007」も作られています。

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テーマ : 教育政策
ジャンル : 政治・経済

たんぱく3000

事業仕分けに関する新聞のニュースを見ていたら、
過去の失敗例として「たんぱく3000」プロジェクトが出ていました。
多額の税金を投与して、たんぱく質の研究をしたが、あまり成果がでなかったプロジェクトのようで、
ブログ等でも議論になったようです。

一般に、研究にリスクはつきものですし、失敗を隠さないようにする必要があると思います。
大型プロジェクトともなれば、隠そうとしても、ネットでの誹謗中傷は避けられません。
日本の社会は過度に失敗を恐れる傾向がありますが、失敗はつきものとして認め、
やり直しのきく世の中にした方が良いと思います。

成果を正しく評価し公開することで、関係者が出世に響くという形でペナルティーを受ければ、
出世競争がオープンな「市場原理」にのっていることになり、
納税者もある程度、納得するのではないでしょうか。
競争社会の是非もありますが、人間は社会の仕組みがフェアであるかどうかに敏感ですので、
理想の8割程度の出来の仕組みであったとしても、まずは「市場原理」にのせることが大事に思います。

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テーマ : 事業仕分け
ジャンル : 政治・経済

事業仕分け

科学技術の研究費の事業仕分けに関しては、
「予算を要求する文科省・大学の研究者 vs 予算をしぶる財務省」
という構図で見るとわかりやすいです。
大きな流れを追うと、
1.インターネット中継もされた事業仕分けで、スパコンなど大幅縮減と判定される
2.おそらく文科の要請が裏であって、ノーベル賞科学者が声明を出して反論
3.財務省が無駄である理由を資料付きでHPで公開
4.文部科学省がそれに対する反論を資料つきでHPに公開
という流れで、結局バランスの良い所で落ち着くという、実は毎年見られる構図になっています。

学会のメーリングリストなどで、文部科学省にメールを送るように奨励していましたが、
結果的に、科学技術研究を擁護するメールが1000通以上集まったので、
財務省に対する強い反論になりました。
そんなにたくさんのメールを、ちゃんと読めたのかはわかりませんが、
若手研究者にとっては、政治は動かせるものなんだと実感できたのも1つの成果だと思います。

しかし、研究者の立場で研究費がただ増えればよいというのも偏った考えですので、
国民の税金が無駄遣いされていないかしっかり監視する必要があるのは言うまでもありません。

文科省的には、大型の研究プロジェクトを行うと、
そのときの幹部の手柄になるというメリットもあったりします。
逆に、担当者が変わると、ネーミングを工夫して新しいことをやりたがるので、
いつも科学者は振り回されてきました。
研究の細部まで、文部科学省の役人が把握する人的・時間的な余裕がない中、
政治力学の中で大型プロジェクトが走ってしまっている実態があるようです。
ここここここを参照)
逆に言うと、国家レベルでの戦略を立てる「部署」がありません。

> プロジェクトが立ち上がる流れ:
> 1.政治力のある科学者が「この研究が必要です」と役所に陳情に行く
> 2.それをもとに、役人が勉強して、資料をつくる(場合によっては研究者がつくる)
> 3.財務省に説明する
> 4.財務省がオッケーと言ったら予算化され、プロジェクトが実施できる

科学技術研究費の分配には、高度が知識が不可欠なことを考えれば、
最終的には、研究者自身が互いに審査し合って決めるしかないように思います。
それも、学会のボスが牛耳るようではダメなので、
アメリカのNSFのように、戦略的かつ公平に研究費を分配する組織が日本にも必要です。

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テーマ : 事業仕分け
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プロフィール

47連敗

Author:47連敗
海外も視野に入れてポスドクまたは助教の職を探していたピペドだったが、最近特任助教となった。

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